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水まわりは、使用するたびに必ず水がはね、また石鹸や皮脂、排泄物などを水と一緒に流します。使用直後の簡単な掃除を習慣にするだけで、お手入れの手間が大きく違ってきます。

浴室、トイレ、洗面所、流し台などの初期的なつまりであれば、ラバーカップでおおむねつまりを解消できます。また、水が流れない、反対に水が止まらない、という場合でも、設備ごとの仕組みを理解すれば、慌てずに対処できるようになるでしょう。

浴室のお手入れ
起こりうる不具合
  • カビ、シーリングの劣化

  • タイルなどの割れ

  • 排水口のつまり

  • ユニットバスのジョイント部の割れ・すき間

浴室は大量の水蒸気が発生するため、結露による木質部分の腐朽、カビの発生などの危険も高い場所です。水分だけでなく、石鹸カスや汚れもカビの原因になりますので、つねに清潔に保ちましょう。

入浴後のひと手間

  • 浴室の床は、石鹸カスや微生物の発生によりヌルついてきます。浴室から出る直前にシャワーでできるだけ熱いお湯を浴室内全体にかけます。その際、自分にかかってやけどをしないように注意してください。特に、身体を洗い流した時に流れ出る皮脂がかかっていそうな場所にはまんべんなく、皮脂を洗い落とすことができるように、シャワーの勢いを強くするとより効果的です。
    また、浴室の隅や風通しの悪そうな場所にも、高温のお湯をかけることで、カビの大好物の皮脂も流れ落ち、カビ菌そのものも弱ります。
    この時に天井などに設置している浴室乾燥システムなどに直接お湯がかからないよう十分に注意してください。
  • こびりついた汚れはやわらかいスポンジでこすり落とします。その後、水のシャワーをかけましょう。浴室内の温度が下がるので水蒸気がなくなります。時間があれば、タオルなどで水滴をさっと拭き取るとなお効果的です。そのあとは、窓を開けるか、換気扇を回し換気しましょう。

排水口

  • 浴室の排水口には、椀(わん)トラップが設けられています。毛髪や石鹸カスがたまると排水不良を起こしますので、こまめに掃除しましょう。

壁や天井、タイル目地

  • 週に1回を目安に浴室用洗剤を用いて、湿気や石鹸の飛び散りによる壁や天井のヌルつきを洗い流しましょう。併せて、照明、鏡、風呂釜、収納棚など浴室全体を掃除しましょう。
  • 掃除の後は、窓やドアを開放し、風通しをよくして乾燥した状態を心がけましょう。
  • 壁、天井、タイル目地、シャワーホースなどの黒い汚れはカビです。市販のカビ取り剤や塩素系漂白剤を筆や柔らかいブラシで塗りつけ、放置した後で水洗いします。
  • ヘアピンやカミソリなどによるさびがタイルや目地に付着した場合は、練り歯磨きをつけて布で磨くか、市販の食器用研磨材を使用します。

ユニットバス

  • FRP(繊維強化プラスチック)製ユニットバスなどは、研磨剤を使用したり、硬いたわしで手荒く扱ったりすると表面が傷つくので、スポンジや柔らかいブラシを用い、浴室用洗剤で洗います。
  • タイル部分を硬いたわしなどで手荒く扱うと、タイル表面や目地の損傷につながったりしますので注意してください。

トイレのお手入れ
起こりうる不具合
  • 悪臭、カビ、青さび

  • 換気不良

  • 便器・水洗タンクのつまり、水漏れ

悪臭の発生は、封水が少ない、器具がぐらついてすき間が生じているなどの原因が考えられます。各部位を確認しましょう。また、換気扇が正常に作動することも確認しましょう。

使用後のひと手間

  • 便器と便座は使用した後に、市販のトイレ用クリーンペーパーなどで、こまめに掃除するようにします。

便器

  • 定期的に(1ヶ月に1回程度)念入りに掃除しましょう。
  • 普通の汚れはその箇所に洗剤をかけ、しばらく放置した後ブラシやスポンジで軽くこすり落とします。
    汚れがひどい時には、クリームクレンザーをブラシや布につけてこすります。
  • ふたの裏側の黒ずみ汚れは静電気でついたホコリなので、キッチン用の中性洗剤を100倍に薄めた液で拭き取ればきれいになります。
    仕上げに柔軟材を塗っておくと汚れにくくなります。

【汚れのひどい時】

  • トイレットペーパーを、便器の内側の汚れているところに敷きます。
  • 敷いたトイレットペーパーにトイレ用中性洗剤をたっぷりしみ込ませ、30分ほど置きます。シャワートイレ・暖房便座の場合は、便座を上げたままにしてください。
  • 30分後、トイレブラシでペーパーごとこすり、水を流します。

便座

  • 週に1回を目安に、水で濡らした柔らかい布を十分に絞り、トイレ用洗剤やキッチン用中性洗剤を含ませて全体を拭きます。

手洗付タンク

  • 手洗付きタンクの受け皿の水あかは、トイレ用洗剤やクリームクレンザーを使って拭き取りましょう。
  • この汚れは、カルシウムやカルキなどが堆積した金属汚れとも言われるもので、なかなか取れにくいので、通常の掃除できれいにならない場合は、クエン酸を溶かしたお湯でキッチンペーパーを濡らして、汚れている箇所にあてて30分位湿布します。そして少し固めのスポンジなどでやさしくこすってみましょう。それでも、まだ汚れが気になる場合には、同じ工程をもう一度繰り返しましょう。
  • また、梅雨時や湿度の高い時の結露による水滴はカビの原因にもなるので、こまめに水滴を拭き取りしょう。

機能付便座

  • 温水洗浄機能付便座は、コードがねじれていないか、接続部分にゆるみがないか確認し、3日間以上使用しないときは本体の水と電源プラグを抜いておきましょう。
  • また、凍結のおそれがある時も、本体内部で凍結して破損し、水漏れの原因となるので水を抜いておきましょう。
  • 操作タッチパネル部分は、割り箸に布を巻き付けたものや綿棒に洗剤を含ませて汚れを取り除きましょう。メーカーによって、ノズル掃除機能が付いているタイプがあるので、取扱説明書を確認しましょう。
  • 脱臭機能付便座は脱臭カセットにホコリがつくと効果的な脱臭性能が得られません。効果が弱くなったり、脱臭音が大きくなったら掃除機でホコリを取り除き、脱臭吸込口のつまりを歯ブラシで取り除きましょう。(脱臭カセットの寿命は4人家族を目安として7年程度です)

パイプなどの金属部分

  • 金属部に青さびが発生した場合は、クレンザーは使用せず、市販のさび取り剤を使って落とした後、防さび剤やカーワックスを塗っておくと発生しにくくなります。

トイレの床や壁

  • 床や壁などに飛び散った尿もにおいの原因になりますので、忘れずに拭き取りましょう。

洗面所のお手入れ
起こりうる不具合
  • 換気不良、腐食、水漏れ、割れ

洗面化粧台からの水はねのほか、浴室に隣接している脱衣室・洗濯スペースとして併用されていることがほとんどであるため、つねに湿気が気になる場所です。

洗面所・洗面化粧台

  • 器具や床の水滴はこまめに拭き取り、換気に心がけましょう。
  • 週に1回を目安に洗面所も掃除します。風通しを良好に保ち、洗面ボウルに付着した毛髪や石鹸カスを除去し、中性洗剤を洗面器内にふきつけ2~3分おいたうえで、汚れを拭き取ります。仕上げは固く絞った雑巾で水拭きしてください。
  • 落ちにくい汚れは、水を張った洗面ボウルに漂白剤を少量溶かし一晩置いて水洗いしましょう。
  • 鏡と鏡受けの間やミラーキャビネットとカウンターのすき間などの汚れは、綿棒やガーゼを巻いたつまようじ、歯ブラシを使ってお掃除します。

洗濯機の床排水

  • 日常の衣類の洗濯では、衣類に付着した毛髪や衣類の繊維、洗剤カスやホコリなど、洗濯槽内のゴミ袋で除去されていますが、排水にもかなり含まれているため、そのままにしておくとつまるおそれがあります。2~3ヵ月を目安に点検しましょう。

ワンポイントアドバイス

ワンポイントアドバイス

今回は湿気の多いお部屋のお手入れということでしたが、お掃除で苦労するのが、頑固なカビではないでしょうか。
カビは温度(20~30℃)、湿度(70%以上)、栄養分(皮脂・ホコリ・石鹸カス・湯あかなど)の3つが揃うと発生します。この3つのうち、ひとつでもシャットアウトできればカビは発生しにくくなります。特に浴室はそうですが、洗面やトイレなども換気をしっかり行い、湿気を飛ばして水分を取り除いてあげましょう!