#046#045ガラスの中の、小さな大自然。
Feel the Garden

暮らしに植物を取り入れたいと思っても、忙しくて世話をする時間がない、すぐに枯らしてしまう、 くは19世紀に植物を運搬する目的で活用されたといわれ、現代でも園芸スタイルのひとつとして人気です。

ガラス瓶の中で育てるのに適した苔をメインの植物として、テラリウムの販売や制作ワークショップなどを展開する「Feel the Garden」の大西輝卓さんは、苔テラリウムの特徴をこう教えてくれました。
「苔テラリウムは瓶のフタを閉めて湿度を保つことができるので、室内の明るいところに置いておけば数週間から1か月に一度の水やりで育てることができます。日当たりを気にしなくていいのもポイントで、むしろ窓辺は光が強すぎるのでおすすめしません。都市生活の中でも場所を取らず簡単に育てることができ、気軽に自然を感じていただけるのが魅力です」。

太陽光を当てると瓶の中が高温になってしまうため、光源として実はLEDライトが一番適しているのだそう。気温の変化が少なく、照明をつけている時間が長いリビングのような場所に置くのがおすすめなんだとか。こうした育てやすさに加えて、大西さんが「苔テラリウムの最も面白いところ」と語るのは、「瓶の中で風景を楽しめる」点。

「小さな瓶の中でも、新芽が生えたり、葉が伸びたりと、少しずつ風景が変化していくんです。まるでミニチュアの森の中をのぞいているように、自然の変化を目の当たりにできるのはとても面白いですよ。苔テラリウムを自分でつくる場合は、その風景を一からつくれるという楽しみもあります。土の傾斜や石の配置から、どの植物をどう組み合わせるかまで、自由に好きな風景をつくることができます。人形を置いたりして、自分だけの小さな世界をつくる感覚で楽しめます」。

苔テラリウムを育てることで、暮らしの中でひとときの癒しを感じてもらえたら嬉しい、と大西さん。
「やっぱり生きた植物が育つ姿というのは、すごく癒しの力を持っていると思います。毎日眺めることで、心に少し余裕ができたり、気持ちが安らいだり。苔テラリウムはどんなお部屋でも育てられますので、ぜひ取り入れてみてください」。

苔テラリウムをつくってみよう
「Feel the Garden」の各店舗では、苔テラリウムを実際につくれるワークショップを定期的に開催しています。苔の生態を知ることから始まり、ガラス瓶の中に好みの石、砂、苔を配置して、海辺・森林・庭園など様々な風景をつくり出すことができます。苔の種類に合わせた配置のコツや、育て方の注意点、道具の使い方などをスタッフが丁寧に教えてくれるので、初めての方でも安心です。初心者向けの基礎編から、苔玉テラリウム編、壁面緑化編、苔盆栽編まで、つくれる内容も難易度も様々なコースがあります。さらに、手持ちの苔テラリウムを持ち寄り、より美しい風景に整えるメンテナンス会も開催。ワークショップはお子さんでも参加できますので、ご家族で楽しんでみてはいかがでしょう。参加の予約はホームページより随時受け付けています。



苔テラリウムの育て方のポイント
直射日光を避け、室内の明るい場所に置く
窓から離れた場所で1日8~10時間ほど光に当てます。トイレなど普段は暗いところに置きたい場合は、植物育成用のLEDライトを設置するのもよいでしょう。

寒さよりも暑さに注意
部屋の温度は、基本的に人が快適に過ごせる範囲であればOK。暑さが苦手なので、夏場に長期間留守にする場合は水を張ったボウルにつけておく、冷蔵庫に入れておくなどの対策が必要です。

水やりのタイミングは土をチェック
苔は土から蒸発した水分を吸収するため、土が乾いていたら水やりのサイン。水差しを使って土に直接水を与え、水が溜まるようであればスポイトで抜き取ります。不純物が含まれない精製水がおすすめ。

年に1回の目安でメンテナンスを
テラリウムに使われる苔の寿命は約2~5年。ただし新芽を生かして茶色く枯れた部分を取り除いたり、新しい苔を追加するなどメンテナンスをしてあげれば、変化する風景と共に長く楽しめます。


取材協力:Feel the Garden
植物のある暮らしを提案するため、苔テラリウムの作成・販売など様々な活動を行っています。各店舗では苔テラリウム作品のほか作成に必要な資材・道具も販売しており、気軽に参加できるワークショップやメンテナンス会も定期的に開催中。
公式WEBサイト
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