
#035鎮守の森で、心清らかに。
阿佐ヶ谷神明宮
細田工務店が本社を構える街・阿佐ヶ谷。商店街や飲食店で賑わう駅前からわずか徒歩2分の場所に、緑に囲まれた由緒ある神社が佇んでいます。約三千坪もの森に鎮座する「阿佐ヶ谷神明宮」。阿佐ヶ谷の街の鎮守様として古くから地域の方々に親しまれてきたこの神社は、かの伊勢神宮とも深いつながりを持っているのだそう。

「一八〇〇年頃に著された『江戸名所図会』によれば、日本武尊(やまとたける)が東征の帰りに阿佐ヶ谷の地でお休みになり、後に尊の武功を慕った村人が一社を設けたのが当宮のはじまりといわれています。鎌倉時代に伊勢神宮近くの川から持ち帰られたと伝わる霊石を御神体とし、伊勢神宮と同じ天照大御神(あまてらすおおみかみ)を主祭神として、兄弟である月読尊(つくよみのみこと)と須佐之男尊(すさのおのみこと)も配祀しています。この『三貴子』を同時にお祀りしている神社はとても珍しいんですよ」。

左に須佐之男命がお祀りされています
そう教えてくれたのは、阿佐ヶ谷神明宮で権禰宜(ごんねぎ)を務める中野海紀さん。
「伊勢神宮の平成最後の式年遷宮の折には、それまで使われていた木製の鳥居や御神宝の一部を光栄にも譲り受けることができ、今は御神前に奉安しています」。

さらに阿佐ヶ谷神明宮のもうひとつの特徴といえるのが、日本で唯一「八難除」のご祈祷を受けられること。八難=あらゆる災いを除けるお祓いと、八十八種類の祈願内容から選んだ願い事を神様にお伝えする「すえひろ祈願」を同時に行ってくれるのだそうです。一般的に、厄除けは元旦から立春までの間に受けるのがよいとされていますが、中野さんは「時期にこだわらず、思い立った時に参拝にいらしてください」と語ります。

「初詣や厄除け、願い事がある時はもちろんのこと、願いが叶った時や人生の節目を迎えた時などにもまた、神様に感謝の気持ちを込めてぜひご報告にいらしていただきたいです。それから、何か悩みを抱えていらっしゃる時。神様の気配を感じて、少しでも清々しいお気持ちでお帰りいただけたら幸いに存じます」。

梅、桜、ツツジ、紫陽花、銀杏など四季の変化が美しい樹々が生い茂り、鳥の声が響きわたる境内には、思わず深呼吸したくなる清爽な空気が満ちています。特に朝日が降り注ぐ早朝の清々しさは格別だそう。

「地域の方々に、暮らしの中で『神様に護られている』という安心感を感じていただくためにも、この環境は大切に守り続けていきたいですね。神様と人をつなぎ、さらに人と人をつなぐ場所として、末長く阿佐ヶ谷の街に貢献できればと思っています」。
一年の節目に、そして心の節目に、阿佐ヶ谷の鎮守の森へ出かけてみませんか。

「八難除」を受けるべき年回りとは?
2025年(令和7年)の厄年早見表
2025年(令和7年)の八方塞がり早見表
日本で唯一、阿佐ヶ谷神明宮でのみ受けられる「八難除」。通常の厄除と同様、気になった時にいつでも受けることができますが、やはり厄年やその前後の年に受ける方が多いそう。人生の節目でもあり、特に気をつけなければならない年回りとされる厄年は男女でも異なり、気にされている方も多いことでしょう。
さらに厄年とは別に、もうひとつ気をつけるべき年回りとして「八方塞がり」があります。陰陽道の言葉で、どの方角に向かっても不吉な結果を招く物事の停滞期とされ、9年に1度巡ってくるのだそうです。
「八難除」は、これらすべての災いを祓ってくれるとされています。厄年や八方塞がりの年回りは、阿佐ヶ谷神明宮のホームページでも確認できますので、該当する方はぜひ「八難除」を受けてみてはいかがでしょう。
阿佐ヶ谷神明宮 公式WEBサイト「厄除(八難除)」
神様のご加護をいつもそばに。授与品「神むすび(かんむすび)」

阿佐ヶ谷神明宮では、デザインや色使いにこだわったオリジナルの授与品が人気です。中でも、国産のレースを高い技術で織り上げたブレスレット型のお守り「神むすび」は、全国からこれを求めて参拝する方が絶えないほど。授与品の企画にも携わっているという中野さんによれば、「現代の暮らしの中で常に身に付けやすいお守りを、との想いで考案しました。手首に付けていただいてもいいですし、ストラップとしてバッグなど身の回りのものに付けていただくのもおすすめです」とのこと。季節限定モチーフも定期的に登場するそうなので、ぜひ好みの1本を選んでみてください。

取材協力:阿佐ヶ谷神明宮
現在の社殿は平成21年秋に行われた「平成の大改修」によって完成したもの。伊勢神宮に倣い、より神様の近くで参拝する「御垣内参拝」ができる造りになっています。境内には能楽殿もあり、狂言や能などの催しも開催されるのだそう。ご祈祷や厄除けは、1年を通して毎日受け付けています。
阿佐ヶ谷神明宮 公式WEBサイト
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