
#041栄養と温度と湿度と時間。
住生活ジャーナリスト・ライター 藤原千秋さん

お風呂好きな日本人として、浴室は常にきれいにしておきたいもの。でも実は、住まいの中で最もいたみやすい場所ともいわれます。ほぼ毎日家族全員が使う場所であり、常に湿度が高く温度変化も激しいのが浴室。特に湿度の高いこの国では、浴室のカビは避けられない悩みではないでしょうか。浴室をカビからまもるには、日々のちょっとした工夫が肝心です。そこで、カビを予防するための4つのポイントを、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんに伺いました。

まずは、菌類であるカビが繁殖するのに不可欠な「栄養源」を残さないこと。浴室の中でカビにとって栄養となるのは、石鹸カスや垢、ホコリなどの汚れ成分です。これらの汚れ成分は、浴室の床、壁はもちろん、排水溝やシャンプーなどが置かれたラック周辺にもたまりやすいので要注意。入浴の最後にシャワーでしっかりと洗い流すことが重要ですが、水ではなく熱めのお湯の方が汚れがするりと落ちやすいでしょう。

ここで気をつけていただきたいのが、2つ目のポイントである「温度」。汚れ成分を洗い流すには熱いお湯が有効なのですが、そのままでは浴室が暖まった状態となり、カビにとって絶好の環境をつくり出してしまいます。一般的にカビは気温が20℃~30℃の環境下で活発に発育するといわれ、特に25℃~28℃で最も活発となるのだそう。そのため、熱いお湯で汚れを流した後は、必ず冷たい水をかけて浴室の温度を下げるようにしてください。

3つ目のポイントは「湿度」。ご存じの通り、カビはジメジメした湿度の高い環境が大好きです。湿度60%以上で活動するようになり、80%を超えると急激に繁殖します。入浴後は窓を開けたり換気扇をつけて、浴室内の湿気をしっかり逃しましょう。浴室乾燥機をお持ちの方は、汚れを流した後すぐに乾燥運転をかけるのが早くて効果的です。

そして最後は、これら3つのポイントの対策すべてを入浴後すぐにやること。カビに繁殖する「時間」を与えないことが最も重要で、毎日こまめに対策するのが一番の予防になります。
それでも毎日続けるのは大変、という忙しいご家庭は、思い切って最新設備に目を向けてみるのもいいかもしれません。たとえば、美容効果やリラックス効果で人気のミストサウナには、カビの発生を防ぐ機能が付いたものもあり、高温のマイクロミストでカビの菌糸を壊してくれるのだとか。また、すでにカビが生えてしまって取れない!という場合は、一度プロに浴室クリーニングをお願いしてみるのもおすすめです。カビが一掃されるのみならず、その後の浴室掃除も格段にやりやすくなります。
さあ、きれいなお風呂で気持ちよくバスタイムを楽しみましょう。

ここが要注意!3大カビ発生箇所

壁に付いた石鹸かすや垢などの汚れは、飛び散った水滴と共に、下に向かって垂れてきます。つまり、浴室内は下にいくほど汚れが溜まりやすいということ。中でも浴室で最もカビが生えやすいのは、「壁と床の継ぎ目」なんだそう。掃除の時間が充分取れない時でも、壁と床の継ぎ目、床など足元周辺だけでも念入りに洗うとよいでしょう。

汚れの「下に向かう」法則から、浴室に並ぶボトルやチューブ類の底もやはり汚れが溜まりやすく、放っておくとカビの温床に。掃除の際は忘れずに容器類の底もきれいにしましょう。また、使わないものは浴室から撤去し、最初から置くものを最小限にしておくと汚れも溜まりにくいのでおすすめです。

意外と見落としがちなのが、浴室をきれいにするためのスポンジやブラシなどの掃除用具。床に次いで、浴室内で2番目に細菌数が多い場所というデータもあるのだとか。掃除の後はしっかり水気を切って乾かし、まめに新しいものと交換するようにしましょう。もしくは、ふきんなどの布類で掃除するのもおすすめ。案外掃除もしやすく、洗濯もできて乾きやすい、といいことづくめです。
浴室の「ピンク汚れ」の正体とは?

浴室で目にするカビといえば黒カビですが、床の隅やボトルの底などにピンク汚れを発見することも多いのではないでしょうか。よく「ピンクカビ」とも呼ばれますが、これは実際にはカビではなく、「メチロバクテリウム」という細菌や「ロドトルラ」という酵母菌の一種なのだそう。発生条件はほぼカビと同じですが、カビと決定的に異なるのが乾燥にも極めて強いという特性。浴室だけでなく、キッチンや洗面室まわりでもよく見かけるのはそのためです。また、このピンク汚れはカビが繁殖する前兆でもあり、放置するとそれを栄養分にして本格的にカビが発生してしまいます。カビ予防と同じやり方+ピンク汚れ対応の洗剤を使って、早めに取り除くようにしましょう。
浴室リフォームでより快適な空間に

浴室のリフォーム時期の目安は、一般的に15~20年といわれます。こまめに掃除をしているのに、すぐにカビが生える、いつもジメジメしている……などのお悩みがある場合は、浴室リフォームを検討してみませんか。最新の浴室は排水溝、床、浴槽など細かいところまで掃除がしやすい仕様になっているだけでなく、床の高断熱性能や浴槽の保温性能など快適なメリットが満載です。細田工務店では浴室リフォームのご相談やお見積を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。浴室リフォームをご検討の方はこちら

取材協力:住生活ジャーナリスト・ライター 藤原千秋さん
大手住宅メーカー営業職を経て、主に住まいや家事など暮らしまわりに関する記事執筆のほか、監修、企画、広告、講演、メディア出演など多岐にわたって活動されています。『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など著監修書多数。
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