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#021つながりを、ほどいてみれば。

サトウ チカさん

サトウさんご自宅のソーラーパネル
サトウさんご自宅のソーラーパネル

世界的に持続可能な暮らしが模索されている今、「オフグリッド」というライフスタイルが注目されているのをご存じでしょうか。グリッド= 送電網とのつながりがオフ、つまり電力を自給自足できる状態のことを「オフグリッド」といいます。一見ハードルが高そうですが、実は誰もが気軽に始められる暮らし方なのだとか。今回そんなオフグリッドな暮らしについてお話を伺ったのは、実際に首都圏の住宅地で100%電力自給の暮らしを実現した経験を持つ、サトウチカさん。サトウさんがオフグリッドに興味を持ったのは、東日本大震災がきっかけだったそう。

東日本大震災で計画停電が実施されたエリアは1都8県にも及びました。
東日本大震災で計画停電が実施されたエリアは
1都8県にも及びました。

「大規模な停電や物流の混乱を経験し、それまでの価値観が大きく崩れました。世の中の状況に左右されない、安心できる暮らしを構築したいとたどり着いたのが、オフグリッドだったんです」。
サトウさんは横浜市内の土地に8枚の太陽光パネルと蓄電池を設置した住まいを建て、電線を引かずに完全自家発電という思い切った生活をスタートさせます。

ソーラーパネルをポータブル電源につなげて発電。炊飯器や洗濯機も稼働できるのだとか。
ソーラーパネルをポータブル電源につなげて発電。
炊飯器や洗濯機も稼働できるのだとか。

「最初の1年は停電したらどうしようと毎日ドキドキ(笑)。暖房が必要な冬場は苦労もありましたが、それ以上に大きかったのは、自然のリズムに合わせて過ごす暮らしの豊かさに気づいたことでした。まさに晴耕雨読な日々は、太陽エネルギーの偉大さや自然とつながる喜びを再認識させてくれました」。
完全オフグリッド生活を約4年経験した後、サトウさんは温暖な淡路島への移住を決意。現在は電力会社とも契約した上でのプチオフグリッド生活を送っていらっしゃいます。

サトウさんが現在暮らす、兵庫県の淡路島。温暖な気候で暮らしやすいそう。
サトウさんが現在暮らす、兵庫県の淡路島。
温暖な気候で暮らしやすいそう。

「オフグリッドで大切なのは、ストイックさではなく、楽しむこと。それがわかって肩の力が抜けた気がします。ポータブル電源と折り畳み式太陽光パネルを使って家電を動かしたり、ソーラークッキングを楽しんだり。できる範囲での自給生活は、オフグリッドのはじめの一歩としてもおすすめです」。

サトウさんおすすめのソーラークッカーでは、アクアパッツァやパウンドケーキもつくれてしまいます。
サトウさんおすすめのソーラークッカーでは、
アクアパッツァやパウンドケーキもつくれてしまいます。
生ゴミを分解してくれるバッグ型コンポストもオフグリッドアイテムのひとつ。分解後は肥料として活用。
生ゴミを分解してくれるバッグ型コンポストも
オフグリッドアイテムのひとつ。分解後は肥料として活用。

エネルギー危機や電気料金高騰など不安定な状況が続く今だからこそ、オフグリッドを暮らしに取り入れてみてほしい、とサトウさん。
「オフグリッドは初期費用も必要ですし、大きな利益が見込めるものでもありません。ですが、自然からもらったエネルギーで暮らしをまかなえる喜び、世の中で何が起きても生活できるという安心感は、決してお金では買えない価値です。太陽光パネル、ポータブル電源、ソーラークッカーなど、今はオフグリッドを気軽に始められるアイテムがたくさんありますし、節電・防災・エコといいことづくしの上、とにかく楽しい。きっと、これまでに経験したことのない豊かさに出会えるはずです」。

サトウチカさんおすすめオフグリッドアイテム

サトウチカさんおすすめオフグリッドアイテム

様々なオフグリッドアイテムの中でもサトウさんが「まずはこれ」とおすすめするのは、ポータブル電源。近年はアウトドアや防災面での需要が高まったこともあり、性能、使いやすさ、デザインが格段に良くなり、さらに購入しやすい価格帯になってきているのだそう。
「折り畳みのソーラーパネルが付属されているものも多いので、ポータブル電源とソーラーパネルの1セットがあれば、バルコニーや庭先で毎日手軽に電気がつくれますよ。私自身いろんな種類のポータブル電源を使ってみた結果、一番使い勝手がよいなと感じるのはバッテリー容量が1000Whのもの。バッテリー容量と重量は比例関係にあり、1000Whで10kg前後なので、これ以上は重すぎてポータブル不可能に(笑)。逆にバッテリー容量が小さいと稼働できる家電が少なくなり、オフグリッド生活が充分に楽しめません。災害時などいざという時にも大活躍するアイテムですから、ぜひ一家に一台は備えていただきたいと思います」。
購入の際は、バッテリー容量のほか、出力ポートの種類や家電製品の定格出力などもチェックするようにしましょう。

サトウチカさんおすすめオフグリッドアイテム

サトウさんが「それまでに経験したことのない、感動的な美味しさを味わえます」と太鼓判を押すオフグリッドアイテムが、ソーラークッカー。太陽熱による調理が可能な器具で、ガスも電気も使わずにご飯を炊いたり、煮込み料理をつくったりすることができます。
「ソーラークッカーも近年はどんどん進化して見た目もスタイリッシュになり、ボックス型、パネル型、筒型など様々な種類が販売されています。材料を入れてしばらく太陽の下に置いておくだけで熱々の料理が出来上がり、その美味しさは一度食べたら忘れられません。素材のうまみや甘みがギュッと濃縮されていて、お芋などはホクホクとねっとりが融合した最高の食感に。ソーラークッカーは完全アナログアイテムでバッテリーのように消耗することがないので、壊れない限り半永久的に使えるのもサステナブルなポイントです」。
お子さんと一緒に楽しめば食育に加えてエネルギー育にもなりそう、とサトウさん。ぜひ晴れた休日に試してみてください。

細田工務店の太陽光発電リフォーム

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近年は太陽光発電の性能が急速に向上し、発電用パネルの価格も落ち着いてきています。電力の買取制度などを上手に活用すれば、電気料金の大幅軽減も可能に。太陽光発電をご検討の方は、細田カスタマーサポートまでお気軽にお問い合わせください。

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サトウ チカさん

サトウ チカさん

2014年から横浜市内の住宅地で電力自給生活を実践。その暮らしぶりを綴ったWEBコラムや著書『ひらけ!オフグリッド』が話題となり、“オフグリッド女子”と呼ばれるように。様々なメディアや全国の講演会などでオフグリッドの楽しさを伝えていらっしゃいます。2020年より淡路島在住。

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