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#011スリープセレモニー。

睡眠専門医 坪田 聡先生

パジャマを着て立つ人(イメージ)

みなさんは寝る前に必ずすることはありますか?例えば歯を磨く、トイレに行くなど、寝る前に習慣的に決まった行動をとることを「スリープセレモニー(入眠儀式)」といい、良質な睡眠のためにとても効果的なのだそうです。

眠っている赤ん坊(イメージ)

医師で日本睡眠学会にも所属する坪田聡先生によれば、スリープセレモニーは自律神経の調整に深く関わっているといいます。人間の自律神経には、心身を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経があります。基本的に、朝や日中は交感神経が活発になっていますが、夜や寝る前は交感神経の活動が鎮まり、相対的に副交感神経が優位な状態が良い眠りへと導いてくれるのだとか。ただ問題なのは、交感神経から副交感神経への切り替えがスイッチを押すようにはいかないということ。夕方から少しずつ時間をかけて副交感神経へと切り替わっていくため、この切り替えをスムーズにする助けとなるのがスリープセレモニーなのです。

ベッドの上に置かれたパジャマ(イメージ)

坪田先生が手軽にできるスリープセレモニーとしておすすめするのが、「眠るための服に着替える」こと。普段ジャージや T シャツなど部屋着のままで寝ているという方も多いかもしれませんが、同じ楽な格好でも、睡眠のためにつくられた「パジャマ」の効果は意外なほど高いといいます。いつもはパジャマに着替えないで就寝するという人たちを対象に、パジャマに着替えて就寝してもらうようにしたところ、寝つきが良くなり、夜中に目覚める回数(中途覚醒)が減り、睡眠の質が上がったという実験結果が認められました。パジャマは他の衣服よりも心身をリラックスさせてくれるので、副交感神経が優位になりやすいということなのだそうです。

読書灯のあかりで読書をする人(イメージ)

様々なスリープセレモニーを効果的に行うには、就寝時刻の 1 時間前から始めるようにしましょう。パジャマに着替えたり、歯を磨いたりといった身支度はもちろん、寝る環境を整えたり、刺激をあえて避けることも大切なスリープセレモニーです。寝室の室温は、夏は 25 ~ 28 度、冬は 16 ~ 19 度、湿度はどの季節でも 50 ~ 60%が理想的。また、眠る 1 時間前からは携帯電話やパソコン、テレビなどの電子機器の画面を見ることは避けたほうがよいとされています。この 1 時間は軽めの読書をしたり静かな音楽を聴くなど、リラックスタイムにあてるようにしてみてください。
最近寝付きが悪い、ぐっすり眠れた気がしない、という方は、ぜひ自分なりのスリープセレモニーを見つけてみてはいかがでしょうか。

ベッドルーム(イメージ)

安眠できるパジャマとは?

パジャマを着て歯磨きをする子供(イメージ)

様々な素材、デザインのものが販売されているパジャマ。基本的には体への締め付けが少なく、肌触りが良いもの、自分が着て心地いいと感じるものを選んでください。睡眠中は意外なほど汗をかくので、素材は汗を素早く吸い取り乾きやすいものがよいでしょう。吸湿性、放湿性に優れたシルクは、坪田先生もいちおしとのこと。さらにこだわるなら、心身のリラックス効果が高いといわれる緑や青色のパジャマがおすすめだそう。とっておきの 1 着を持っておくのも、スリープセレモニーの効果を高めてくれるかもしれません。

取材協力:睡眠専門医 坪田 聡先生

取材協力:睡眠専門医 坪田 聡先生

医師として睡眠障害の診療と研究を行う傍ら、総合情報サイト「All About」の睡眠ガイドを務めるなど、医学と行動計画の両面から睡眠の質を向上させるための情報を発信しています。日本医師会、日本睡眠学会所属。雨晴クリニック院長。

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