#019緑のデコレーション。
FUGA
家の中に彩りをもたらしてくれるインドアグリーン。手のひらサイズのものから大人の背丈ほどもあるものまで多彩な種類が揃い、最近はインテリアショップなど様々な場所で購入できる気軽さもあって、住まいに取り入れている方は多いのではないでしょうか。
インドアグリーンを単なる置物ではなく“空間演出”として捉え、ちょっとしたコツをおさえて選んでみると、お部屋の印象を大きく変えることもできます。そんな視点から植物と向き合い続けているお店が、渋谷区神宮前にあるフラワー・プランツショップ「FUGA」。植物一つひとつの造形にこだわり、生産地まで厳選して仕入れを行っているのだそう。室内では植物が“装飾物”となるからこそ、枝ぶりや葉のつき方までこだわって選んでほしいといいます。
「当店では日本の住宅に馴染むサイズ感を大切にしながら、目を引く枝ぶりなどインテリアとして見栄えのする形の植物を仕入れています。時には『こんな形のものをお願いします』と生産者さんにオーダーしてつくってもらうこともあります。同じ品種の植物でも一つひとつ驚くほど形が違いますし、部屋に置いた時の印象も大きく変わるものなんです。インドアグリーンを選ぶときは、これだ、と思える一本と出会えるまで妥協せずに探してみてください」。
インドアグリーンによる空間演出の効果を最大限に発揮させるには、まずお部屋のシンボルとなるようなメインの植物を決めることがポイントだそう。
「シンボリックな植物がひとつあるだけで、空間がガラリと変わります。思い切って背丈のある大きな木を選び、それを部屋の一番目立つ場所に置くのがおすすめです。部屋に入った時に目線がいく場所に多めの緑があると、空間がぐっと引き締まりますよ。そして、シンボルツリーにコーディネートしていく感覚でその他の植物を置いていくと、自然と空間のバランスが取れ、次に植物を買い足す時も選びやすくなると思います」。
さらに、植物を植える鉢も、コーディネートアイテムのひとつとして楽しみながら選んでほしいとのこと。
「植物選びに迷ったら、鉢から先に決めてしまうのもひとつの方法です。当店では鉢のサイズ、素材、柄、すべてにおいて非常に多くの種類が揃っていますから、お部屋に合うものやお好みのものを見つけていただけるはずです。鉢同士のコーディネートも考えてみると、空間演出の幅も楽しみもさらに広がると思います」。
同じ植物でも枝ぶりひとつで印象が違ったり、合わせる鉢で雰囲気が変わったりするのは、ある意味ファッションコーディネートとも似ています。だからこそ、植物も鉢も同じ店で選ぶことでトータルコーディネートがしやすくなるメリットもあるのだとか。
「当店ではインドアグリーンの選び方、飾り方のご相談も承っています。空間演出のための装飾物とはいっても、植物は生き物ですから、日当たりや風通しなど置く場所の環境ももちろん重要です。お部屋のお写真をお持ちいただければ、環境や雰囲気に合った植物のご提案をさせていただきます」。
手軽に模様替えをしたい、空間をもっとおしゃれに見せたいという方は、インドアグリーンの選び方、置き方を見直すだけで大きな変化を感じられるかもしれません。植物との一期一会の出会いを楽しみながら、コーディネートしてみてはいかがでしょう。
インドアグリーンを健やかに育てるには
室内で育てることを前提とした観葉植物は丈夫な品種が多いといわれますが、やはり日当たりや風通しなどの環境選びと水やりの頻度は最初に確認すべきポイントです。また美しいシルエットを保ち、健やかな生長を促すためにも、多くの植物の生長期にあたる春~夏にかけて剪定をしてあげるとよいでしょう。さらに2、3年に1回のペースで植え替えをすることで、根詰まりや根腐れを防ぎ、より長生きさせることができます。それでも植物に元気がない場合は、どうしたらよいのでしょう?「一概には言えませんが、手のかけすぎが意外とよくなかったりします。少し放っておくくらいの気持ちで、植物の反応を見ながら水や日当たりを調整してみてください。植物も人間と同じで、買ってきたばかりの時や植え替え直後は不安定ですが、徐々に環境に慣れていくものなんです。何より植物は癒しをくれる存在ですから、育てる方のライフスタイルに無理のない範囲でお世話できることが一番ではないでしょうか」。
程よい距離感で、インドアグリーンを元気な状態に保ちましょう。
取材協力:FUGA
1994年外苑西通りにオープンし、1Fで切り花、B1Fで観葉植物や様々な種類の鉢を販売。空間コーディネートを提供する、という考えのもと植物と鉢、住まいのフィッティングを積極的に提案しています。仕入れは週3回行っているため、お店を訪れる度に新しい植物との出会いを楽しめます。
FUGA