PRODUCED BY GROWING CLUB FROM HOSODA CORPORATION

#006備える、を日常に。

危機管理アドバイザー・株式会社危機管理教育研究所代表 国崎信江さん

ハザードマップを確認する親子(イメージ)

いつ、どこで起こるかわからない災害。感染予防もあり災害時の「在宅避難」が推奨される中、非常食を購入したきりなど防災対策が一時的なものになってはいませんか?暮らしの中で無理なく防災意識を保ちながら、家族の安全のためにできることとは?生活者の視点から防災対策を提唱している、危機管理アドバイザーの国崎信江さんは、「家庭であらゆる災害に備える大前提」として次のように語ります。
「どのご家庭でも必ずやっていただきたいのは、ハザードマップなどで自分が住んでいる土地のリスクを知っておくこと。災害時に最も大切なのは命を守ることです。起こり得るリスクを知らなければ、適切な対策もできません」。

ハッピー備蓄(イメージ)

そして日常の備えに関しては、「固定観念を捨てて、楽しんでやるのが継続するコツ」とのこと。
「例えば我が家では『ハッピー備蓄』と呼んでいるのですが、食料・飲料は家族の好きな物ばかりを揃えています。ジュースやお菓子など、普段のお気に入りを箱で買ってストックしておくんです。水や食べ慣れない非常食ばかりでは家族もテンションが上がりませんが、好きな物なら喜んで消費してくれますし、自然に日常備蓄が習慣化します。それから普段の買い物でも『ついで防災』を意識してみてください。食料や応急手当用品を揃えておくだけでなく、例えばフライパンひとつ買い換える時だって、災害時に使いやすいかどうか、という視点で選ぶだけで立派な防災対策になるんです」。

おうちDEキャンプ(イメージ)

さらに、家族全員の防災意識を高めるためにぜひやってほしいと国崎さんが提案するのは、災害時の不便を体験しておく『おうち DE キャンプ』。
「休日などに、家族で半日程度ライフラインを使わずに過ごしてみることをおすすめします。例えば今回は電気を使わずに過ごしてみよう、などシチュエーションを変えて少しずつで構いません。冷蔵庫にあるものでレシピを考えたり、非常用トイレを使ってみたり、一度でも経験することでかなり安心感が違いますよ」。
最後に国崎さんは、戸建てにお住まいの方々へ向けてこんな提案もしてくれました。
「お住まいの家を愛してあげることが、実は何より防災に役立ちます。早めのタイミングでのメンテナンスが、災害に強い家にしてくれるんです。実際我が家では5年ごとに屋根と外壁の補修を行っていますが、傷む前に行うことで安心して暮らせています」。
ちょっと意識を変えるだけで、無理なく実践できる日常の防災対策の数々。ご家族で楽しみながら取り組んでみてはいかがでしょう。

土地のリスクを知ろう

国土地理院webサイトより地形分類(自然地形)の例 2021年5月時点
国土地理院webサイトより地形分類(自然地形)の例 2021年5月時点

国崎さんがおすすめするのが、その土地の成り立ちや想定される災害リスクを知ることができる「地理院地図」。国土地理院がインターネットで公開しているもので、自分の住所を入力するだけでピンポイントな情報が得られます。ぜひアクセスしてみてください。

地理院地図

防災につながる収納の工夫

防災につながる工夫をした収納・家具(例)

防災用品を含め、物をどのように収納しておくかは防災の大きなポイントのひとつ。国崎さんによれば、究極の方法は「居住スペースと収納スペースを分けること」。「結局何よりも安全なのは、人が過ごす場所に物や家具を置かないことなんです。空き部屋があるなら丸々収納スペースにしてもいいですし、できるだけ普段人が過ごさない場所に収納をまとめ、メリハリある空間にするといいでしょう。防災用品に関しては、取り出しやすさが鉄則。非常用持ち出し袋は玄関の近く、など使うシーンを想定して置き場所を決め、それを家族全員に周知することも忘れないでください」。片付けを行う際は、ぜひ意識してみましょう。

取材協力:危機管理アドバイザー・株式会社危機管理教育研究所代表 国崎信江さん

取材協力:危機管理アドバイザー・株式会社危機管理教育研究所代表 国崎信江さん

阪神淡路大震災をきっかけに、自然災害から家族の命を守るための研究をスタート。国や自治体、企業の災害対策に関わるほか、講演、執筆、メディア出演などで幅広く防災対策を提唱しています。『震度 7 から家族を守る家』などの著書、雑誌の監修も多数。

国崎信江の防災

ARTICLE