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#003やり過ごして、豊かに暮らす。

やり過ごしごはん研究家 やまもと しまさん

やり過ごしごはん研究家 やまもと しまさん が用意した食材

どんなにライフスタイルが多様化する中でも、誰もが毎日欠かすことのできない食事。昨今は自炊する機会が増えた方も多いと思いますが、忙しい日常の合間に料理に向き合っていれば、「今日は作るのしんどいな」という日もあるものです。そんな時は、目の前のごはんを乗り越えるのではなく、「やり過ごし」てみるのはどうでしょう。毎日のごはん作りが楽になるアイデアやレシピを、著書や SNS を通じて発信している“やり過ごしごはん研究家” やまもとしまさんにお話を伺いました。

やり過ごしごはん研究家 やまもと しまさん

“ぶたやまかあさん”の名で、名もなきレシピや時には市販のお惣菜も並ぶありのままの食卓を SNS に投稿し、そのリアルな臨場感が人気を呼んでいるやまもとさん。日々のごはんを「やり過ごそう」と思うようになったきっかけは、子育てしながら働く中で感じていたつらさだったといいます。

左:土鍋に具材を詰める「やり過ごしごはん研究家」やまもと しまさん|右:火にかけられた土鍋

「仕事帰りに献立を考えるのがとにかく嫌でした。結局考えつかないことの方が多いから、今はほぼノープランで台所に立っています。もともと料理は嫌いではありませんが、常にそこにエネルギーを全投入はできないなと思ったんです。そこそこおいしいものを作って、時には市販のお惣菜や外食にも頼って、その日のごはんを乗り切れたらそれでいい。そう思ったら、『やり過ごし』という言葉がしっくりきました」。

左:調理中の「やり過ごしごはん研究家」やまもと しまさん|右:「やり過ごしごはん研究家」やまもと しまさんの料理

『献立は決めない』『自分が食べたいものを作る』『素材のまま食卓に出す』『味付けは各自で』といったやり過ごし術には、周囲のママ友や SNS を見た方から「これでいいんだ」「元気付けられた」という感想がたくさん寄せられたそうです。

調理をする「やり過ごしごはん研究家」やまもと しまさん

「とにかく皆さん『ちゃんと料理しなくちゃ』と苦しんでいらっしゃる。よその家庭の食卓ってほとんど見えないので、勝手に不安になって自信が持てないことってあると思うんです。だから、そこまで料理好きでもない私の食卓を公開したら、誰かを励ますことにつながるのかもしれないな、と。本を出した時、実は一番叱られるんじゃないかと思っていたシニア世代の方たちがとても喜んでくださったんです。これまで一生懸命料理を頑張ってこられた方たちが、『これでいいのよ』って。だからどんな形であれ料理をしている方には、自信を持ってほしいなと思います。何を大切にするかは人それぞれですから、手間をかけて料理したい方はどんどんやるべきだし、他のことを全力で充実させるのもまた正解です。自分や家族が大切にしたいことなら、どんな選択肢でも罪悪感なく選んでいいはず。日々の暮らしは目標を掲げて突き進むものではないと思うので、それこそ好きなように『やり過ごし』てもいいのではないでしょうか」。

「やり過ごしごはん研究家」やまもと しまさんの料理「ぎゅうぎゅう蒸し」

頑張る日も、頑張らない日もあっていい。そんな風に自信を持っていれば、軽やかな心で暮らせそうです。

やり過ごしレシピ 1「ぎゅうぎゅう蒸し」

やり過ごしレシピ 1「ぎゅうぎゅう蒸し」

「土鍋は蒸す、煮る、焼く、炊くがおいしくできる万能調理器具なので 1 年中使っています。とりあえず材料に火を通して、各自が好みの調味料で食べるのもやまもと家の定番スタイル。ぎゅうぎゅう蒸しは、余った野菜を加えたり、バターを少量加えたりなどアレンジも自在です」。

【材料】5 ~ 6 人分
  • 豚肩ロースかたまり肉  500 ~ 600g
  • しめじ  1/2 株
  • 塩 小さじ 2
  • セロリの葉 適量
  • キャベツ  1/3 ~ 1/4 個
  • ローズマリーの枝(あれば) 適量
  • かぶ  3 ~ 4 つ
  • 水  400cc
  • マッシュルーム  4 ~ 6 つ
  • 白ワイン  100cc
  1. ポリ袋に豚肉、塩を入れてよくもみ込み、冷蔵庫で 1 日置く。
  2. 豚肉を 2 ~ 3cm 角に切り、熱湯にくぐらせる。
  3. 野菜を食べやすい大きさに切る。
  4. 土鍋に、キャベツ、かぶ、豚肉、しめじ、マッシュルームの順に入れ、水と白ワインを加える。セロリとローズマリーをのせ、蓋をして中火で 30 分ほど煮る。
  5. ポン酢、マスタード、ドレッシングなど好みの調味料をかけていただく。
豚肉を2〜3cm角に切る
食べやすい大きさに切られた野菜
土鍋に入れらた食材
完成した「ぎゅうぎゅう蒸し」

やり過ごしレシピ 2「キャロットラペ」

やり過ごしレシピ 2「キャロットラペ」

「我が家のキャロットラペは、たった 3 つの調味料で和えるだけのシンプルレシピ。人参の千切りは 1 本まるごとスライサーへ。保存容器ごと食卓に出せば、あっという間に 1 品完成です」。

【材料】3 ~ 4 人分
  • 人参  1 本
  • オリーブオイル 大さじ 1
  • バルサミコ酢 大さじ 1
  • 塩 少々
  1. 人参を千切りにする。
  2. すべての調味料で和える。
人参を千切りにする
千切りした人参を調味料で和える
取材協力:やり過ごしごはん研究家 やまもと しまさん

取材協力:やり過ごしごはん研究家 やまもと しまさん

現在、会社員としてフルタイム勤務をしながら、高校生(長男)、中学生(長女)、小学生(次男)の3人を子育て中。忙しい日々のごはんを「やり過ごし」ながら生まれた料理を、ほぼ毎日Twitterに投稿しています。2021年5月、「やり過ごし」のアイデアやレシピをまとめた初の著書『ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん 毎日のごはん作りがすーっと楽になる』を上梓。 Twitter @Butayama3

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