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木造住宅の寿命はどのくらい?家の耐用年数と実際に住み続けられる年数は違う!

「木造住宅に住みたいけれど、古くなると心配」「いつまで快適に住めるのか気になる」と、将来的な木造住宅の耐久性や快適性に対して不安を感じている方もいるでしょう。住宅の耐用年数は法律で決められていますが、家の寿命は建物の構造やメンテナンス次第で変化します。
今回は、法的耐用年数と実際に住み続けられる期間の違いなど、木造住宅の寿命に関する疑問を解決し、長く快適に住むためのポイントについて解説します。

住宅の寿命は何年?耐用年数は4種類

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耐用年数とは、法的に決められた建物を使用できる期間のことです。「法的耐用年数」「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」「期待耐用年数」の4つの基準があり、住宅の寿命や価値を評価する際の重要な指標となります。

1. 法的耐用年数

法定耐用年数とは、その名のとおり法律で決められた建物が資産評価される期間のことです。家を建ててから、資産価値がなくなるまでを示し、建物の構造や用途に応じて設定されています。ただし、あくまでも税法上の減価償却の際に用いられる基準なので、実際の建物の寿命とは関係ありません。

2. 物理的耐用年数

物理的耐用年数とは、どのくらいの期間、建物の柱や梁などの構造材が性能や品質を維持でき、安全に住み続けることができるのかを示した年数です。工学的な視点から判断され、建物の立地や環境、メンテナンスの程度によって、物理的耐用年数は大きく異なります。たとえ築年数が古い木造住宅でも、適切にメンテナンスされていれば、耐用年数を超えて長く使用できる可能性があるということです。

3. 経済的耐用年数

経済的耐用年数とは、今後、建物が継続してどの程度使用できるのか、不動産としての市場価値がなくなるまでの期間を示すものです。そのため、ほとんどの家は、経済的耐用年数を過ぎても住み続けることが可能です。

築年数・立地・間取り・設備・外観・メンテナンスなどの要因によって、耐用年数は変動します。中古住宅の需要が高い場合、経済的耐用年数は長くなり、逆に需要が低ければ短くなります。つまり、年数は市場の動向に大きく左右されるのです。

4. 期待耐用年数

期待耐用年数とは、一般的なメンテナンスやリフォームを行うことで、どのくらいの期間住み続けられるかを表した年数です。リフォーム後の物件に正当な評価を与え、中古住宅の需要や購買意欲を高める目的があります。経年により老朽化した中古物件は、定期的なメンテナンスやリフォームすることで、期待耐用年数を延ばすことが可能です。

木造住宅の法定耐用年数は22年

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木造住宅の法定耐用年数は22年と定められているため、寿命が短いと誤解されることがあります。しかし、22年間しか住めないという意味ではなく、建物の不動産価値が時間の経過とともに少しずつ下がり、22年を過ぎると価値がゼロと見なされるということです。一般に賃貸住宅の減価償却期間として利用されています。

木造住宅の寿命は、一概に何年と決められるものではありません。適切なメンテナンスを行うことで、法的耐用年数を大幅に超えて長く住み続けることができるのです。

木造住宅の寿命は100年以上?!

一昔前は、木造住宅の寿命は30年程度といわれていました。近年は品質や構造、施工技術の向上などにより寿命が延びています。
国土交通省で定めている木造住宅期待耐用年数は、50〜100年です。

・フラット35基準:50〜60年
・劣化対策等級3:75〜90年
・長期優良住宅認定:100年超

出典:国土交通省 土地・建設産業局不動産業課 住宅局住宅政策課「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」

法隆寺
法隆寺

日本の歴史的建造物の中には、100年以上の木造建築が存在しています。たとえば、法隆寺や薬師寺は、どちらも樹齢1000年以上の桧が使用され、1300年以上経過した今も、美しい姿で維持されています。鉄やコンクリートの耐久性は100年程度といわれていることから、木造建築がいかに耐久性に優れており、子や孫の世代までも住み継げる家づくりに欠かせないかがわかるでしょう。

寿命が長い木造住宅の特徴

当社施工事例
当社施工事例

木造住宅の寿命を決定づける特徴として挙げられるのは、「断熱性」と「耐震性」です。快適な環境づくりや、地震に強い家づくりに欠かせない要素です。

1. 断熱性が高い

当社注文住宅施工現場
当社注文住宅施工現場

木造住宅の耐久性を左右する大きな要因の一つが結露の有無です。家の寿命を延ばすためには、結露が発生しにくい、断熱性の高い構造を採用することが大切です。細田工務店の注文住宅では、安定した断熱効果を発揮する吹付硬質ウレタンフォームを使用しています。ほとんどが空気でできており、隙間なく充填できるため、断熱性が向上。夏の暑さや冬の寒さ対策に役立ち、季節を問わず快適な室温を保つことができるため、冷暖房費の節約にもつながります。

家の断熱性を高めるには、窓からの熱の出入りを抑えることも重要です。夏の冷房時には窓から73%の熱が入り込み、冬の暖房時は58%の熱が窓から外へ流出するといわれているからです。(※)室外側に耐久性に優れたアルミ、室内側に断熱性に優れた樹脂を使用したハイブリッドサッシを全開口部に使用することで、断熱性を大幅に高めることができます。

※参照先:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会HP

細田工務店の住まいの断熱性についてはこちらから


2. 耐震性に優れている

当社施工現場
当社施工現場

地震大国の日本で寿命が長い家を実現するには、優れた耐震性を備えた家づくりが不可欠です。消防署や病院などの防災拠点と同じ、最高レベルの耐震等級3の認定を受けた住宅であれば、今後発生する可能性のある大地震に備えることが可能です。

細田工務店では、さらに制振ダンパーを組み込むことで、地震のエネルギーを効果的に吸収し、住まいの揺れ自体を軽減しています。繰り返し発生する地震に対しても、住宅の安全性と耐久性を確保し、長期にわたって安心して住み続けられる強い住まいづくりをしています。

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3. 耐久性に優れている

断熱性や耐震性の向上に加え、適切な劣化対策を施すことで、耐久性に優れた木造住宅を実現できます。
細田工務店では、壁体内の結露を防止するために、外壁と断熱材(高性能グラスウールまたは吹付硬質ウレタンフォーム)の間に空気が流れる外壁通気工法を採用。通常想定される条件下において、3世代まで大規模な改修工事をせずに対策されていることを示す、最もランクの高い「劣化対策等級3」を取得しています。

さらに、熱や湿気がこもりやすい小屋裏の結露を防ぐために、小屋裏換気を採用。屋根には雨水の侵入を防ぐためのルーフィング(防水用シート)を重ね合わせて敷き込み、水切り板金で雨水をスムーズに排出することで、屋根の防水性を向上させるとともに、建物の耐久性を一層高めています。

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木造住宅の寿命を延ばすにはメンテナンスが大事

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メンテナンスをどの程度行なっているかは、木造住宅の寿命を大きく左右します。とくに、湿気が多い水回りは劣化しやすいので、こまめな掃除や換気が必要です。また、外壁やベランダなどのひび割れや雨樋の点検も行い、雨水が侵入する亀裂がないか、防水や排水機能が低下して漏水していないかもチェックしましょう。

家のメンテナンスは、自力では修理できない部分や、破損状態を目視できない箇所があるので、定期的に専門業者の点検を受けることが大切です。メンテナンスを怠ると、小さなダメージが徐々に大きくなり、最終的に住宅の寿命を縮めることにつながります。建物の劣化を早期に発見して修理することで、家の寿命を伸ばせるとともに、結果的にメンテナンス費用を抑えることにもつながります。

木造住宅の寿命を延ばすポイントについてのまとめ

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国土交通省が2021年に行った「建築着工統計調査」によると、新築一戸建ての木造住宅の割合は約91%と、多くの人がマイホームに木造を選んでいます。しかし、木造住宅と一口にいっても、寿命は家ごとの状況によって異なります。長く住める木造住宅にするには、「断熱性」と「耐震性」に優れた家を選ぶことが大切です。
さらに、定期的な「メンテナンス」を行うことで、快適に住み続けられる家を維持できるのです。

細田工務店では、「安心して長く住み続けられる木造住宅」をモットーに家づくりをしています。注文住宅では30年の初期保証があり、30年目に当社指定の有償メンテナンス工事を当社が施工することで(他にも条件があります)、保証期間を初期保証期間30年とあわせて最長で60年まで保証いたします。
メンテナンスやリフォームも自社で行っているため、住まいの状態やライフスタイルの変化に合わせて、お客様が快適に住み続けられるようにサポートしています。

さらに、万が一住まなくなった場合でも、自社での買い取りが可能です。家づくりから不動産まで、幅広いご要望に対応しており、マイホームに関するあらゆるご相談に応じています。

一世代だけで終わるのではなく、次の世代に受け継ぎ、心地よく暮らせる家、家族のライフスタイルに寄り添った住まいづくりをお考えの際は、ぜひお声がけください。

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監修者紹介

齊藤年男(さいとうとしお)
一級建築士/構造設計一級建築士
齊藤年男(さいとうとしお) 一級建築士/構造設計一級建築士

1957年新潟県生まれ。
1981年法政大学工学部建築学科卒業、同年(株)細田工務店入社。
主に設計・施工の技術開発に携わり、特に構造設計分野では、後進の指導・育成にも力を注ぎ、「専門的で難しいことを、わかりやすく」を心がけ、多くの著書を記している。