住まいのお手入れガイド

外壁:イメージ
外壁:イメージ
風雨から建物を守ってくれる、大切な外壁。定期的なお手入れとメンテナンスが長持ちの秘訣です。

日々、雨・風・直射日光から住まいを守ってくれる大切な外壁は、住まいの顔でもあります。
汚れやひび割れを放っておくと、雨水の侵入や建物の腐朽・劣化の原因となり、外観の見栄えも悪くなります。
普段から外壁の周囲は、植え込みをこまめに刈り込んだり、物を置かないようにしたりして、風通しをよくしましょう。

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汚れやひび割れを確認

外壁は、埃やコケ・カビなどが付いたままだと、防水性能が劣化し、そこにひび割れなどが生じると、雨水が浸入して建物の構造体の腐朽につながります。
日頃から目や手で確認して、変色や塗膜の劣化、ひび割れがないか点検しましょう。

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お手入れは水洗いが基本

お手入れの基本は、水洗い。ホースなどで水をかけながらやわらかいブラシやスポンジで埃や泥、コケを洗い落としましょう。
落ちにくい汚れは、中性洗剤をぬるま湯で溶かしてブラシでこすります。
最後に水洗いで洗剤成分をしっかり流しておくことも忘れずに。
風の強い日は、洗っても埃が付着してしまうので、風のない天気のいい日を選びましょう。

壁のひび割れの例
外壁のひび割れ
【ご注意】

はしごや脚立を使って、点検やお手入れなどの作業をする場合は、転倒や転落の危険があるので、注意が必要です。必ず二人一組で行いましょう。

サイディング壁のお手入れ
ケース1

サイディング壁のお手入れ

同一規格で製造された板状の外壁材の総称で、窯業(セメント)系、金属系、セラミック系などがあります。セメント質と繊維質を主な原料とした窯業系は防火性・施工性・意匠性に優れ、金属系は断熱性や遮音性に配慮した複合パネルが主となります。

起こりうる不具合
汚れ・色あせ、色落ち・ひび割れ、 シーリング部分の劣化

日常のお手入れ

  • 汚れは、塗膜にキズがつかないよう、やわらかいブラシやモップで水洗いします。
  • 落ちにくい汚れは、中性洗剤をぬるま湯で薄めたもので洗い、洗剤成分はしっかり水で洗い落とします。
  • 金属系は吸湿性が低いため、簡単な水洗いで汚れは落ちますが、表面にキズがつくとさびの原因になるので注意しましょう。
モルタル壁のお手入れ
ケース2

モルタル壁のお手入れ

モルタル仕上げは、仕上がりの美しさから外壁で多く用いられています。モルタルを塗った上から、吹きつけタイルやリシン(砂粒状の塗料)などで仕上げ塗装をしています。
モルタル壁は、その性質上、乾燥収縮によるひび割れが生じやすく、これを完全に防ぐことは困難です。
しかし、ヘアクラック(毛髪程度の細かいひび割れ)程度ならば、下層に貼られた防水シートや耐水合板などの防水層があるので心配は要りません。

起こりうる不具合
汚れ・色あせ・色落ち・ひび割れ、はがれ、シーリング部分の劣化

日常のお手入れ

  • モルタル壁に雨水などが跳ね上がって汚れた場合は、表面を損傷しないようにやわらかいブラシなどで水洗いします。
  • また、特に北側壁面のカビやこけなどの汚れは要注意です。カビやこけの発生場所は水分が多くジメジメしているので、冬の朝などに水分が凍結し体積が膨張して、ひび割れにつながる恐れがありますので注意しましょう。
【ご注意】
シーリングの劣化とは?

シーリングは建物の動きによる圧力や外的環境(紫外線や外気、雨水、温度変化など)により劣化します。確認にあたっては指でおして弾力を確認してみましょう。
軽微なひび割れや切れなどは、市販のシーリング材で補修することも可能です。シーリング材はホームセンターなどで、一本数百円程度で購入できます。

タイル貼り壁のお手入れ
ケース3

タイル貼り壁のお手入れ

タイルは板状の陶磁器質の建材で、耐候性・耐水性・防水性に優れ、古くから建築物の内外装として使われてきました。

タイル貼りは、一般に2つの工法があります。

【湿式工法】
モルタルを塗った上に仕上げ材としてタイルを貼る工法
【乾式工法】
構造用の合板の上に防水シートを貼って、さらにパネルを取り付け、そこにタイルを一枚一枚引っかけて貼る工法
起こりうる不具合
汚れ・はがれ、割れ

日常のお手入れ

  • 汚れた時は、タイル材を傷つけないようなブラシやモップで水洗いします。乾式工法の場合、目地のモルタルにひび割れが生じると、下地のパネルに雨水が侵入し、腐食することがあるので注意しましょう。
  • また湿式工法の場合、大きな割れを放置したままにすると、下地のモルタルがはがれ、建物の耐久性に影響するので、早めに補修しましょう。
板張り壁のお手入れ
ケース4

板張り壁のお手入れ

ヒノキや杉、ラワンなどの板に、ワニスやオイルステイン、オイルペイント(ペンキ)などで塗装した板を貼って仕上げた壁です。
自然材質なので、天候や温度、湿度などの環境変化の影響を受けやすく、雨水や湿気で腐らないよう、なるべく乾燥した状態を保つようにしましょう。
一方、夏場などに日光が当たり過ぎると色あせや色落ちが進むので、簾やよしずなどで日光を遮る工夫も必要です。

起こりうる不具合
色あせ・色落ち、反り・腐朽、割れ

日常のお手入れ

  • 気になる汚れは、乾いたタオルやハタキなどで埃を落としてから、住宅用洗剤を水で薄めた液に雑巾を浸し、軽く絞って壁全体を均一に拭きましょう。
  • こすり過ぎると色落ちや変色の原因になるので、注意しましょう。
  • 汚れが取れたら、固く絞った雑巾で洗剤をしっかり拭き取ります。

ワンポイントアドバイス

外壁は屋根と同様に住まいを守る大切な場所です。定期的なお手入れとメンテナンスを心がけましょう。
より長持ちさせるには、再塗装などを目安となる時期よりも早い段階で塗替えることがコツです。当社では、モルタル壁の場合7~10年程度での再塗装をおすすめしております。
また、外壁の塗装の際には、あわせて必ずコーキングの打ち直しを行いましょう。