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最初は何気ない出会いでも、いつのまにか長い付き合いになる。人と人の関係のように暮らすほどに土地の良さを知り、地域とのつながりを育んでいく。そしてそこが、家族のふるさととなっていく。家族が住み慣れた場所を変えずに、住まいを建て替えるという選択は、時には違う街へと引っ越すよリも、暮らしに新しい風を吹かせることになるかもしれません。

F様が、現在暮らす八王子市の山間の地に出会われたのは、20年以上も前のこと。独身時代に住まいを探していた時、中央線沿線の通勤しやすさと目の前に山の樹々を望む自然豊かな環境が気に入り、分譲戸建を購入されたのが始まりでした。
「しばらくは買ったまま住まずにいたのですが、結婚を機に家族で暮らし始めました。子どもたちが中高生になった頃、だんだん内装の劣化が目につくようになり、住まいを新しくしようと決めました。建て替えの場合は仮住まいが必要ですから、家族4人と荷物が入り切る賃貸物件を探すのも大変ですし、当初は買い替えも検討したんです。でもこのロケ ー ションや地域の方々とのつながりを手放してまで、新しい地に暮らす気にはどうしてもなれませんでした」。そんな中、ご近所でアパ ートを経営されている方のご好意で仮住まい先が無事に見つかり、F様は住み慣れた地での建て替えを決意されます。

F様が新しい住まいに希望されたのは、成長し外で過ごす時間が増えた2人の息子さんと自然に生活を共有できるリビングイン階段と、地震の時にも慌てずに済む作りつけの収納の2点。 建て替え中は、「本当に楽しくて、毎日がイベントのようだった」と振り返ります。

「近所に仮住まいしていたので、毎日のように見に来ては、今日はここができたね、と話していました。細田工務店さんは、私たちの希望を取り入れつつも様々な提案をしてくださったのですが、住んでみて特に快適に感じるのは生活動線です。お風呂と洗面室を2階にしたことで洗濯物を干すのが楽になりましたし、同じ場所に建つ家でも、間取りでこんなに住み心地が変わるものなのかと驚きました」。

そう感じたのは息子さんたちも同じだったようで、新居に友人を招いたリ、個室で自分の時間を過ごしたり、とにかく嬉しそうだった、とF様。 そう感じたのは息子さんたちも同じだったようで、新居に友人を招いたリ、個室で自分の時間を過ごしたり、とにかく嬉しそうだった、とF様。
「すぐに自分の部屋へ引っ込んでしまうので、親としては正直ちょっと寂しいなと思うこともありますが、リビングに階段を設置したことで、必ずリビングを通って自室に向かいますから、毎日の様子が自然と察せられるのは、むしろちょうど良い距離感かもしれません。子どもが成長すれば家族それぞれの過ごし方になっていくのは自然なことなんですよね。
実際私たち親も、近くの山をウォ ー キングしたり、ゆったりと料理や読書を楽しんだり、自分の時間を満喫するようになりました」。

時を重ねると、家族の過ごし方や共有する時間も変わっていくもの。ただ、時間が経っても変わらない想いもあります。家族写真が飾られたF様邸のリビングは、窓いっぱいに差し込む陽の光とともに、そんな温かい気配で満たされていました。