昭和初期の貴重な意匠を活かした古民家住宅
築80年の和風住宅を現代風にリフォーム。昭和の面影を残した古民家風家屋に仕上がりました。
思い出の詰まったご実家を現代風にリフォーム
今回リフォームするのは奥さまが生まれ育った築80年の和風住宅。O様ご一家はこれまでお隣にお住まいでしたが、空き家となっていたこのご実家に移り住むことをお決めになりました。
当初は建替えをご希望でしたが、検討を重ねた結果、リフォームを選択。築80年の住まいは何度かの増改築を繰り返してきたそうですが、奥さまの使い勝手がいいようにとキッチンと和室を中心にリフォームをすることになりました。
「細田工務店さんは以前から知っていました。いつも通る道にとても素敵なお宅があって、細田工務店さんが建てられたと聞いて、いいなと思っていました」と奥さま。「実は他社にも見積りを依頼していたのですが、あまりいい印象を持てなくて…。決まったプランから選ぶような形でこちらの希望を聞いてくれなかったのです」とご主人。和の趣きを残しつつもモダンな古民家風に仕上げること、古民家と調和するような使い勝手のよいキッチンにリフォームすることが大きなテーマとなりました。
水回りは使い勝手のいい最新設備を採用
「キッチンは、使い方が異なると感じたので、まずはここをやりたいなと思っていました」と奥さま。住まい全体が古民家風なためキッチンのカラーリングはグレイッシュトーンを基調にしました。システムキッチンはダークグレー、その面材に合うようにフロアキャビネットはモーヴがかったスミレ色を、天井のクロスは白に近いグレーをチョイスしました。お仕事柄、抜群の色彩センスを発揮する奥さまは「私の気に入りそうなものをご提案してくださいました。好みを理解してくださっていたので、私はその中から決めるだけでしたね(笑)」と嬉しそうにおっしゃいます。
また古くなっていたトイレ・浴室・洗面室も新品に交換することをご提案。古民家風でありながら使い勝手のよいバリアフリーの水回りが完成しました。
昭和の美しい造作を残しつつ快適な空間に
現代の住宅では滅多に見られない床柱、違い棚、雪見障子。古き良き時代の造作が息づいている二間続きの和室は、畳をフローリングに、襖を引き分け戸にリフォームしました。貴重な柱や壁は塗装のみ、欄間や障子は張り替えのみにとどめました。さらに広々とした濡れ縁はフローリングに貼り換えて壁は漆喰に塗り替えました。作り付けの家具は傷んでいた箇所を一部補修し、既存のサッシを活かしながらガラスは断熱性の高いものに交換しました。「大工さんとひとつひとつ点検していくときに〝この材はとても貴重ですね“と褒めてくださったのがとても嬉しかったですね。そうした価値がきちんとわかる方で本当によかった」と仕上がりには大満足のご主人。
古民家風はともすれば暗くなりがちですが、残す部分と変える部分のバランス、色味や諧調のトーン調整など綿密な打ち合わせを重ねた結果、最新設備を備えたモダンな古民家に生まれ変わりました。O様の美的感覚を軸として、素材を見極める大工、プランナー、コーディネイターそれぞれの技術の結晶であるこの住まいがステキな時間をもたらしますよう心からお祈り申し上げています。
ギャラリー
和風旅館のような趣ある濡れ縁
天井は昭和初期のものをそのまま活かしました。広々とした縁側から庭を眺めながら茶をすする。そこには誰もが羨むような日本の原風景がありました。
見えないところに密かな遊びを
私と猫の部屋だとチャーミングに笑う奥さま。クローゼットは白地に金の花模様が入ったクロスで遊び心をプラスしました。
端正な表情を見せる玄関ホール
白い壁にキリリと映える黒い柱。かけられた古民具がお客さまをお出迎えします。土間と天井、上り框はそのまま残し、玄関ホールはフローリングに貼り換えました。
快適に生まれ変わったキッチン
グレイッシュカラーがどことなく落ち着いた雰囲気を醸し出しています。クロスや建具の質感にもこだわりが見られます。
お客さまの声
東京都杉並区にお住まいのO様
お見せしたイメージパンフレットよりも素晴らしい仕上がりになり大変満足しています。段取りもよく打ち合わせもとてもスムーズにできました。細田工務店さんにお願いして正解でした。本当にどうもありがとうございました。
わたしがお手伝いしました
リフォーム営業 布施 忠明
水廻りは使い勝手を重視し、和室・広縁・ホールについては、既存の木の風合いを生かしつつ暖かい空間になる様、材料などカラースキームを行ないました。仕上がってゆく現地を見ていて、私も楽しくお手伝いさせていただきました。ありがとうございました。