こんにちは、細田工務店です☆
家は建てた時が完成ではありません。そこに人が暮らしてこそ、家になります。
私たち細田工務店も、いちばん気になるのはご家族に建物を引き渡した後のこと。
1年後、5年後、10年後…、あの家はどんな風に暮らしていただいているのだろう。 住み心地はどうだろう。家族のかけがえのない場所として愛されているのだろうか。
そんな思いから、お客さまのお宅を訪問し現在の「すみごこち」をお伺いして、ホームページにレポートを掲載しています。
その中から今回は、およそ30年前に細田工務店で家を建てられたお客様のレポートをご紹介します。
杉並区F様邸1994年竣工
1964年10月10日、満員に沸く国立競技場。前日の雨が嘘のように晴れ渡った青空の東京オリンピック開会式当日。国歌斉唱の後、空高く航空自衛隊のアクロバット飛行チーム『ブルーインパルス』が描いた5つの輪。その様子を、ご主人は生まれ育った飯田橋のご自宅の屋上から、小学生だった奥さまはご実家のある渋谷から見上げていたそうです。まだお二人が出会ってもいない頃の同じ記憶。ご主人はそれ以来、いつか空へという想いを持ち続け、航空自衛隊へと進路を決めたそうです。
杉並区の住宅街に約30年前に建てられたFさんのご自宅はあります。当時、二人のご子息が部屋を欲しい歳になっていたことも後押しし念願を叶えたというお住まいは、赤い煉瓦が印象的な外観。家の周りに置かれた植木鉢。内装はロッジ風の造りで、床はもちろんのこと、壁から天井に至るまで、木に包まれています。
『以前建っていた家は、1階にリビングがあったのですが、よく陽があたるように2階にリビングを移しました』とおっしゃるように、陽当たりのよい2階のリビングには、大きな開口部が設けられ心地よい風を感じます。人形づくりが趣味で、ご友人を招く機会も多いという奥さまにとっても、時間を忘れて趣味に没頭できるのではないでしょうか。
そのリビングに寄り添うようにある2つの部屋は、それぞれ二人のご子息のお部屋。すでにお二人とも独立されているため、今では遊びにくる3人のお孫さんの遊び場になっているそうです。
階段の横の中2階にあたるお部屋は、可愛いお孫さんであったとしても入室禁止のご主人の趣味の部屋。航空自衛隊を退職されてから、夢中になったという飛行機の模型がところ狭しと飾られています。
『かなり古い物もあるので、接着剤が弱くなり少しの振動でも部品が取れてしまう』
とのことで、窓を開けるのにも気を遣っているのだとか。今回は特別にお部屋を撮らせていただきました。
『模型づくりだけでなく、飛行機を見に行ったり、山へ登ったり、最近では合気道を始めましたし、主人は本当に思ったら行動する人なんですよ』
と奥さまがおっしゃる通り、多趣味なご主人ですが、このロッジ風の内装のアイデアもご主人が高校生だった頃の、登山の経験が発端でした。
当時山岳部だった弟さんから、
『部の顧問なのに運動不足の先生を、山に連れ出してみたい』
という誘いにのって、初めて挑んだ登山。普段は見ることのない絶景はもちろんのこと、宿泊した山小屋の木に包まれる心地良さが印象的で、いつかこういう木に囲まれた家を建てたい、と想いを持ち続けてきたのだそうです。
『最近、長男が同じ家を建てたいから、図面が残っていたら欲しい』
なんて言うんですよ。と奥さま。
『この家で暮らしたことが本当に楽しかったんだと思います。なによりも、それがうれしい。』
と語っていただきました。この住まいに込めた想いは、ご夫婦だけでなく、お子さんへ、そしてお孫さんへと受け継がれていくのでしょう。
子どもの頃に抱いた夢を、叶えること。そして同じくらいに、その夢を持ち続けることもまた、難しいように感じたりもしますが、今回取材させていただいたFさんは、そんな心に抱いた夢を持ち続け、叶えてしまう、羨ましくなってしまうような方でした。
このほかにも細田工務店のホームページでは、様々なお客様のお宅訪問の記事を掲載しています。
「すみここち」のレポートはこちら
ぜひ参考にご覧いただければと思います。