空き家が年々増加し、大きな社会問題となっています。空き家を放置すると劣化が進むだけでなく、所有しているだけで固定資産税がかかり、倒壊する恐れも。しかし、リノベーションをすれば、賃貸や売却、自分で住むなど幅広い方法で活用できます。
今回は、空き家のメリット・デメリットを把握し、費用を抑えてリノベーションする方法をご紹介します。参考にして、空き家をより価値のある建物に変えて有効活用しましょう。
1.空き家リノベーションが注目されている理由
空き家率の増加にともない、衛生面や治安の悪化、倒壊・火災・害獣の発生など、近隣住民に悪影響を及ぼすケースが増えています。放置された空き家をリノベーションして活用すれば、現在起きているさまざまな問題を解決でき、さらには地域社会へ貢献できます。
また、2023年に施行された「空家等対策特別措置法」により、管理が不十分な空き家に対し、固定資産税が従来の6倍にまで跳ね上がることとなりました。このような社会的背景から、空き家リノベーションへの注目が高まっているのです。
2.都心の空き家は活用しやすい
都心の空き家は立地がよいため、郊外の空き家よりも活用の幅が広がります。リフォームをして住むだけでなく、たとえば、空き家を売却してシニア施設への入所・駅近のマンションへの引越し・建て替えといった方法が考えられるでしょう。杉並区などの都心部は資産価値が高いエリアなので、細田工務店では空き家の有効活用に向けたさまざまな提案をおこなっています。
3.空き家リノベーションのメリット
空き家を放置すると、税金の増加や資産価値の低下、老朽化による倒壊の危険性や治安の悪化などのリスクがあります。一方、空き家をリノベーションして活用すれば、さまざまなメリットが生まれます。
新築よりも費用を抑えてマイホームを持てる
空き家をリノベーションすれば、多くの場合、新築よりも費用を抑えてマイホームを手にいれることができます。住宅は築年数が経つほど資産価値が低下し、相対的に価格も下がります。譲り受けた実家が空き家になっているなど、すでに空き家を所有している場合は、リノベーション費用のみでマイホームを実現できるでしょう。
家の魅力が向上
空き家をリノベーションして、内装や設備などを今のライフスタイルに合うように生まれ変わらせれば、住み心地や家全体の魅力が向上します。空き家は放置期間が長引くほど建物の状態が悪くなるため、市場での魅力が失われていきますが、手を加えて一新し、住まいの性能や快適性を向上させれば、売却や賃貸の際に有利になるでしょう。
建物の倒壊や犯罪リスクを防げる
建物は時間とともに劣化していきます。空き家を放置すれば、雨漏りやシロアリ被害、害獣の棲み家になるなど、多くの問題が発生するリスクを高めることに。さらには、倒壊する危険性もあります。
また、誰も住まない状態が続くと、放火や不法投棄・不法占拠など、犯罪の原因になりやすいため、地域の治安が悪化し、地域住民に大きな不安を与えてしまうでしょう。空き家をリノベーションしてきれいな状態を保ち、人の出入りがある家になることで、環境が改善されて多くのリスクを軽減できます。
ビジネスに活用できる
自分が住むために空き家をリノベーションするのではなく、ビジネスとして活用する方法もあります。たとえば、古い木材や歴史的な雰囲気を活かした古民家カフェや、複数人で利用できるシェアオフィス・コワーキングスペース、ワークショップやイベントを開催できる地域住民の交流スペースなど、多彩な選択肢が考えられます。空き家をリノベーションすることで新たな価値が生まれ、収益を生み出すこともできるのです。さらに、医療や介護、保育事業などの施設として活用すれば、地域貢献につながるでしょう。
4.空き家リノベーションのデメリット
空き家をリノベーションする際には、注意すべきデメリットがいくつかあります。
空き家の状態によっては想定外に費用が高くなる
空き家の状態によっては、リノベーションするとかえって費用がかかってしまう場合があることに注意しましょう。表面から見えない構造体がシロアリの被害にあっていたり、腐食が進んでいたりすると、大掛かりな修繕が必要となることから、建て替えの方が向いているケースもあります。
空き家をリノベーションする際は、予算オーバーを防ぐために、事前に専門家にしっかり調査してもらうことが大切です。
耐震工事が必要なケースが多い
1981年以前に建てられた住宅は、現行の耐震基準を満たしていないため、耐震性能が不十分な可能性があります。耐震補強をすると工事費用が高額になりやすいので、経済的な負担を感じてしまう場合があります。
5.空き家のリノベーション費用相場
空き家のリノベーション費用は、一戸建て住宅で500〜2000万円程度、マンションは250〜1,000万円程度が相場といわれています。同様の条件で新築を建てる場合と比較すると、空き家をリノベーションする方が費用は抑えやすくなりますが、建物の傷み具合や使用する建材、導入する設備などによって総額費用は変わります。
また、既存の内装や設備をすべて撤去してスケルトン状態にする、間取りを大幅に変更する、屋根を葺き替える、外壁を張り替える、シロアリ被害の補修をする、耐震補強をするなど、工事範囲によっては2,000万円以上の高額になる場合もあります。
6.費用を抑えて空き家をリノベーションするには?
できるだけ費用を抑えて空き家をリノベーションする方法をご紹介します。
補助金制度を活用する
国や自治体は、空き家率を減らすために、空き家のリノベーションに対して補助金や助成金を提供しています。制度を活用することで、費用の一部を補助・助成してもらえるため、負担を抑えてリノベーションを実現できます。
ただし、制度を利用できる要件は自治体によって異なり、年度によって実施の有無や補助金や助成金の上限などが変わる場合があります。リノベーションを計画する際は、各自治体のホームページや窓口で確認しましょう。
できるところはDIYで手をいれる
壁紙や床材の貼り替え、ペンキ塗り、棚の設置など、できるところを自分でDIYすれば、リノベーション費用を節約できます。予算に余裕ができた分、設備のグレードを上げるなど、こだわりたい部分に費用を回せるでしょう。
また、DIYで自分好みにカスタマイズすることで住まいへの愛着が一層高まり、家族で協力して作業すれば思い出づくりもできます。
7.空き家リノベーションは目的を明確に
空き家をリノベーションする際は、「自分で住む」「売却する」「事務所・店舗にする」など、空き家をどう使うかを明確にして計画を立てましょう。リノベーションの方向性や資金の配分を適切に判断できます。ただし、状況によっては建て替えの方が適している場合があるので、リノベーションを検討する際は、専門家による耐震診断や劣化状況の評価をしてもらうことが大切です。
放置された空き家のリノベーションには多くのメリットがありますが、古い物件ならではの難しい側面もあります。細田工務店では、耐震診断から部分リフォーム、フルリノベーションまで幅広く対応。空き家をリノベーションしてマイホームにする場合は、専門的な立場からお客様のご要望に応じた最適なリノベーションプランをご提案いたします。また、空き家となっている持ち家をリノベーションして、資産性・収益性を高めるご相談にも応じています。ぜひお気軽に細田工務店にご相談ください。
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