住まいのお手入れガイド

ルーフバルコニー:イメージ
ルーフバルコニー:イメージ
普段、あまり目にすることのない屋根まわり。
見えない、気にならないからといってほったらかしにしていませんか?

屋根は、強い日差しや風雨から住まいを守る大切な役目を担っています。何も問題がないようでも傷みが進んでいる場合もあります。特に夏から秋にかけては台風の多い季節。強い雨風に叩きつけられて、いろいろ影響を受けている可能性があります。屋根の傷みを見過ごして、家全体にダメージがおよぶようなことにならないよう、しっかり日常点検※1をしておくことが大切です。

※1、日常点検…日頃の清掃などに合わせて行う、建物要所の目視などによる簡易な点検のことをいいます。

1

屋根の上には上がらないこと

心配だからといって、むやみに屋根に上がらないことが大切です。転落したり、傷んだ箇所を踏み抜いたりすることもあり危険です。少し離れた所から全体を見るか、当社カスタマーサポートセンターまでご相談ください。

2

屋根の形状種類を知る

屋根の形状には、大きく「切妻」「寄棟」「入母屋」「片流れ」4つのタイプがあります。また、屋根の種類にスレート葺き・金属板葺き・瓦葺きなどがあります。屋根の種類によって保守・点検時の留意点が異なるので注意しましょう。

屋根用化粧スレート葺きのお手入れ
ケース1

屋根用化粧スレート葺きのお手入れ

化粧スレートは住宅用屋根葺き材の一種で、耐候性(日差しや風雨に耐える力)に優れ、軽量なので洋風の屋根葺き材などに広く使われています。表面の彩色に陶器質の微粒子を圧入してあることから、色落ちや色あせが少ないのが特徴となっています。

起こりうる不具合
ズレ、割れ、浮き、色褪せ、色落ち

日常のお手入れ

  • 特に日常的なお手入れの必要はありませんが、台風などの風雨・強風の影響で、ズレや割れ、浮きが生じることや、また長期的には、色褪せや色落ちなども考えられます。
金属板葺き(瓦棒葺き)のお手入れ
ケース2

金属板葺き(瓦棒葺き)のお手入れ

金属板葺き屋根には、一般にトタンと呼ばれるような亜鉛メッキを施した亜鉛鉄板や、亜鉛鉄板に2回塗装・2回焼付けを施した着色亜鉛鉄板が使われます。金属板は、加工しやすく施工性に優れ、複雑な屋根形状にも対応できる長所があります。

起こりうる不具合
さび

日常のお手入れ

  • 金属なので、さびが生じると著しく耐久性を損なうので、定期的な点検・メンテナンスが必要です。さびが発生する前に、定期的な塗り替えなどのお手入れを心がけましょう。
  • 屋根に落ち葉やゴミがたまった状態にしておくと、水はけが悪くなり、そこからさびが生じてしまいます。落ち葉やゴミを見つけたら、ホースで水をかけて落としたり、竿などで取り除いたり、屋根に上がることなく安全に処理できる方法でお手入れするようにしましょう。
  • また、海岸沿いなど、周辺環境によって腐食の進み具合が異なるので、定期的な点検と塗り替えを検討するようにしましょう。
瓦葺きのお手入れ
ケース3

瓦葺きのお手入れ

粘土瓦は粘土を使って焼いた日本の伝統的な屋根葺き材で、耐候性・耐火性に優れています。表面に釉薬を塗った釉薬瓦と塗られていない無釉瓦(いぶし瓦・素焼き瓦など)があり、形状によって和形・洋形があります。

起こりうる不具合
ズレ、割れ

日常のお手入れ

  • 特に日常的なお手入れの必要はありませんが、瓦葺きは一般的に、軒先やけらば(切妻屋根の端部分)などの要所に釘止めされるだけなので、地震や台風、年月の経過によってズレが生じてくる場合があります。地震や台風の後はもちろん、定期的に瓦のズレや割れを点検しましょう。
【ご注意】

屋根用化粧スレート葺きは靴底が固いと破損、金属葺きは損傷、瓦葺きは焼きもののため割れる・損傷するなど、それぞれ注意すべき点があります。アンテナ工事などで業者の人が屋根に上がる場合などは、特に注意してもらいましょう。

雨どいのお手入れ
ケース4

雨どいのお手入れ

雨どいは、屋根からの雨水を受け止め、集めて流すという大切な機能を持っており、これを維持するためのお手入れが必要です。塩化ビニール製のものが多く、強い日差しや風雨に晒されることで割れたり、劣化を起こしたりする場合があります。

起こりうる不具合
詰まり

日常のお手入れ

  • 雨どいは一箇所詰まりを起こしただけで、雨水が溢れ、家屋の外壁をぬらしたり、泥水を跳ね返したり、建物自体を汚す原因となります。
  • 雨どいに溜まった落ち葉やゴミ、砂埃は、普段から気づいた時に取り除くようにしましょう。
    年に2~3回の定期的な清掃を目安に台風などの前後、落ち葉の季節には注意しましょう。

掃除は、以下の要領で洗い流します。

  • 軒どいは端から端まで、竹べらや要らなくなった歯ブラシなどで泥を落とす。
  • 小さなチリ箒や刷毛などで落とした泥や集水器のゴミ・落ち葉などを集めて捨てる。
  • 竪どいは、ボロ布を紐で縛ったものを通して、詰まりを取り除く。
  • 掃除が終了したら、水を流す。
【ご注意】
  • 台風などの強い風雨や積雪などで、集水器やといが変形したり、割れたり、外れたりすることがあります。また経年変化による金物の緩みやさびの発生に注意しましょう。特に雨どいのジョイント部分は劣化する可能性があります。雨どいから水がぽたぽた落ちるようであればジョイント部分の劣化や詰まりが考えられるので注意しましょう。
  • 雨どいの清掃時にはヘルメットを着用し、転落事故に十分注意してください。ハシゴを使用する場合は、ハシゴの先端に布を巻くなどして、壁や屋根を傷つけないようにし、登る際は、誰かに押さえてもらうようにしましょう。

ワンポイントアドバイス

屋根は住まいを守る大切な場所です。地震や台風・強風の後には少し離れたところから目視で点検してみましょう。ご自身で観察することで早期の対応が可能となります。
屋根まわりの作業は転落の危険があります。屋根の上に登ることはくれぐれもお止めください。また、2階雨どいの掃除などにつきましても、ハシゴなどは危険が伴うので注意が必要です。
ご不明な点やご相談がありましたら、当社カスタマーサポートセンターまでお気軽にご相談ください。